女性の身体にとって大切な女性ホルモン。“美肌ホルモン”とも言われる女性ホルモンは、たるみやシワ、乾燥とは無縁な美肌をつくるためにも重要なのです。しかし、その分泌量は加齢やストレスによって徐々に減り、多くの肌悩みを発生させてしまいます。株式会社ドクターシーラボ(本社:東京都渋谷区代表取締役社長:石原智美)は、女性のキレイをつくる“美肌ホルモン”を増やす方法について、シロノクリニック城野親德総院長に取材しましたので、ご報告いたします。(調査概要:Webアンケート/2017年8月16日~18日/20歳~59歳女性360名)
■女性の半数は“美肌ホルモン”を知らなかった!
SNSの普及や、情報化の発展によって便利になった半面、私たちは常に多くのストレスと向き合って生活をしています。女性の若々しさや美しさを保つにはストレスは厳禁。
加齢のみならず、ストレスによっても女性ホルモンのバランスが乱れると、たるみやシワ、シミ、乾燥など多くの肌悩みを引き起こします。
そこで、重要になってくるのが女性ホルモンを補うこと。
“美肌ホルモン”とも言われる、女性ホルモンの一種である「エストロゲン」は肌内部のコラーゲンの産生を促進することで、ハリやツヤを生み出し、くすみのない元気な肌へと導く作用があります。
アンケート調査によると、このエストロゲンを増やすことが美肌に効果的だと知っている女性は半数以下。
美しい肌づくりに励んでいる女性は多いですが“美肌ホルモン”についての認知はあまり高くないことが今回判明しました。
そこで、ドクターシーラボでは、美肌と密接な関係のあるエストロゲンと、エストロゲンを増やし若々しい肌をつくる方法についてシロノクリニック 城野親德総院長に伺いました。
■医師に聞く、ホルモンと美肌の関係
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Q: ホルモンと肌の関係は?
A: 「女性ホルモン不足で、肌老化は一気に加速します。」(城野)
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数あるホルモンのなかでも、女性にとって大事な「女性ホルモン」。
女性ホルモンが不足することによる体調不良はよく知られていますが、実はたるみやシワといった肌老化も加速させます。
またうるおい不足で生じる肌あれなどの肌トラブルが多発し、見た目にも大きな影響が。
しかし、一口に女性ホルモンが不足するといっても判断が難しいもの。今の自分のホルモン状態をチェックするには、日常的に疲れやすくなる、精神的に不安定でイライラする、身体がだるいなどの症状が起きていないかを意識してみてください。これらはまさに女性ホルモンが減少しているサインなのです。
そして少しでも思い当たる節があれば、女性ホルモンを増やす対策を!
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Q: 女性ホルモンを増やして、肌老化をブロック!!その方法とは?
A: 「クリニックでの 『ホルモン補充療法』 か、ホームケアで 『ザクロ』 を取り入れて頂くことがおすすめです。」(城野)
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最新のホルモン補充療法は2種類。エストロゲンなど女性ホルモンを注入する「若々しい女性らしさを保つ治療」と、成長ホルモンを注入し筋肉や骨格などを整えていく「アンチエイジング治療」があります。
特に女性の肌や、精神的な安定などに効果があるのは前者。治療数は近年増加傾向にあります。
しかし、アメリカでは9割近い方々の治療経験がある一方、日本では増えているといっても未だ1割程度。
今後はさらにホルモン補充療法が注目されてくるのではないかと考えています。
クリニックでの治療が難しい場合は、スキンケアやサプリメントで女性ホルモンの不足分を補うことが必要だと考えます。
そこで手軽に取り入れられ、飲んでも塗っても効果的な美容成分として「ザクロ」があります。
特にスキンケアで有効なのは、「ザクロ種子オイル」。女性ホルモンのエストロゲンに似た成分のため、ハリや弾力、保湿効果は抜群。
そのなかでも無農薬で栽培されたザクロは効果的、かつ安心・安全に取り入れることができます。
<本取材の動画【肌の老化と血流の関係】はこちらから> //www.youtube.com/watch?v=t7JKGaecwLE
ホルモン補充療法には、どのような効果が期待できる?
更年期症状を緩和し、血管や骨を保護して健康寿命を延ばす
更年期症状を緩和する治療法の1つとして行われてきたのが、不足したエストロゲンを補う「ホルモン補充療法(HRT)」です。
2002年に発表されたWomen’s Health Initiativeの研究でHRTの副作用が示され、この治療法は日本でも下火となりました。
しかし、これを機にHRTの安全性が追求され、現在では治療ガイドラインに基づき、患者の年齢や状態、閉経後の年数などに応じて薬剤の種類や量、投与法などを使い分け、より安全で効果的な治療が行われるようになりました。
コラーゲンを増やし若々しい肌に
HRTの効果が期待される更年期症状は下の表のとおりです。
「これらの症状のうち、のぼせ、ほてり、発汗、萎縮性膣炎、性交痛には即効性があります。そのほかの症状も1か月くらい使い続けると改善してきます」と小川先生は説明します。
HRTの効果が期待される更年期症状
ガイドラインに掲載された症状は、より効果が期待できます。
※1 エストロゲン経口剤。糖尿病の治療や発症予防を目的とした使用は推奨されない。
※2
糖尿病や虚血性心疾患の既往症がある場合は心筋梗塞のリスクが高まるおそれがある。
※3 繰り返す場合に効果が期待できる。
※4 治療薬として第一選択薬ではない。
(『ホルモン補充療法(HRT)がよくわかる Q&Aハンドブック2019』ほか研究論文等を参考に作成)
また、皮膚のコラーゲンを増やし、肌のハリを保つともいわれ、見た目の若さを維持することにも効果的。
一方、エストロゲンの欠乏に起因する健康リスクへの高い効果も期待されるため、近年、HRTは健康寿命を延伸する観点からも大いに注目されています。
「なかでもエストロゲンの影響を強く受ける血管と骨に対する効果は科学的にも証明されており(下図参照)、寝たきりの原因となる脳卒中や骨粗しょう症などの疾患を生涯にわたって予防することが期待されます」。
HRTの動脈硬化を予防する効果
HRTを行った群と行わなかった群の頸動脈の中膜の厚さを比較するとHRTを行った群のほうが動脈硬化は進展していない。特に閉経後早期にHRTを開始するとその効果が高い。(N Engl J Med. 2016:374:1221-31.を参考に作成)
HRTの骨折防止効果
HRTはあらゆる骨で骨粗しょう症による骨折を抑制する。骨粗しょう症の診断に使う脊椎中央部の骨では、エストロゲン併用療法で34パーセント、同単独療法で38パーセント骨折のリスクが減った。(JAMA 288:321-333(2002),JAMA 291:1701-1712(2004)を参考に作成)
〔特集〕人生100年時代の「ホルモン補充療法」“攻め”の更年期(全4回)
撮影/Fumito Shibasaki〈DONNA〉、田中 雅(取材) 取材・文/浅原須美
『家庭画報』2019年11月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。