統合失調症の症状 Show 精神疾患は見た目にわからないので、他の人には理解されにくいことがあります。それは、目の見えない者だけが闇を乗り越えて生きることの真実を知っているように、精神障害を患った者だけが、発病による痛み、苛立ち、拒絶、感覚の喪失、孤独、悲しみの真実を知ることができるからです。 私たちが現在、統合失調症の症状について語れるのは、病いを経験した多くの患者さん達や、家族や仲間として病気を共有した人々の功績でもあるのです。統合失調症の症状を知った人々が自分や家族に病気を発見したときに、適切な援助を求め早期治療に導かれることを願ってやみません。 統合失調症の徴候は陽性症状と陰性症状の2つに分類されます。陽性症状は「誰もいないのに声が聞こえる」など通常ではあまりみられない、統合失調症を象徴する症状です。逆に陰性症状は「やる気が出ない」など目立たない地味な症状です。 陽性症状は目立ち、すぐに気づかれやすい症状です。陽性症状は家族にとって破壊的であり、両親にとって悩みの種となりますが、一方で薬が効きやすい特徴もあります。陰性症状は陽性症状ほど破壊的ではありませんが、障害を残しやすく薬に反応しにくいため、社会的な支援を要することがしばしばあります。 陽性症状に分類される徴候幻覚 統合失調症患者は誰もいないのに声を聞いたり映像を見たりすることがあります。それは彼らの体においてただならぬ感覚であったりします。時に幻の声は文句を言ったり、安心させることも言ってきます。患者さんは声におびえたり、またその声に脅されることがあります。その声は彼らに何か普通でない行為や、有害なことを命令することもあります。 妄想 継続する訂正困難な強い信念のことです。それは宇宙人に指令を受けていると思いこんだり、有害な何者かによって監視されているという確信かもしれません。それは妄想型というタイプの統合失調症を特徴付ける症状です。その妄想について議論することは全く効果が無く、本人にとっては現実的な体験なので誰かの説得で変更できる類のものではありません。 思考障害 統合失調症者の思考の道筋の過程は、ほかの人とはかなり異なっています。思考はまとまりが無くばらばらで、会話はしばしば論理がめちゃくちゃでつじつまが合わなくなります。様々な考えが制御を欠いて浮かんできたり、思考が突然中断することもみられます。しばしば不適切な対応につながることがあり、その人は悲しいことや恐怖について話しながら笑っているなどちぐはぐな印象を与えます。 自我障害 彼らは自分の体や過去の自分とのつながりが薄くなったことを感じるかもしれません。自分の体と外界の境目を言えないかもしれません。この障害は自分が自分であることに混乱をきたし、一人の人間としての感覚を障害する可能性があります。 記憶障害 彼らはある出来事を思い出せないかもしれません。たとえばいつどこでやったかなどを思い出せないかもしれません。加えて、注意力散漫で優先事項を忘れることもありえます。 陰性症状に分類される徴候アパシー、意欲の低下 エネルギーや人生に対する興味が欠如するために怠け者のようになるかもしれません。睡眠や食事にも問題をきたすこともあります。 感情や感覚の鈍麻 その人は感情が平板化し、仮面のように顔の表情が乏しくなります。心の動きはあるかもしれませんが、やさしさを受け取ったり、手伝ったりできるにもかかわらず、外見上の表情が少なくなります。この徴候は障害の進行に伴って更に目立ってきます。 うつ状態 うつ状態はいつも統合失調症に関係しているわけではない症状です。助けや望みが全く無い感じがしたり、人生の問題を感じたりするのは、一つには感情や表情の表現が乏しくなり愛嬌が無くなったり、症状のせいで人間関係が破壊されかねない振る舞いをしているためである場合もあります。このような感覚はとても辛くて自殺につながりかねません。 社会的引きこもり 統合失調症の患者さんは、彼らの友人と環境から様々な理由で引きこもるかもしれません。彼らは一人でいることに安心しほかの関係に属することから自分を守っているように感じます。何らかの社会性を示すことは大変困難になってゆきます。 しかし、一方でたくさんの統合失調症の患者さんが孤独を感じています。陰性症状により、意欲、働く力を得ることはとても難しくなります。また、発病前や再発前に、何らかの徴候が見られることがあります。これは、疾患を特徴づけるものではないものの、同一個人内においてストレスが高まったときにいつも悪化に先立って見られる症状であったりし、前駆症状(初発の場合)や早期警告サイン(再発の場合)と呼ばれます。この時点で、人に相談したり、ストレスを減らす行動を行ったりすることは効果的です。早期警告サインは人によって様々です。たとえば一部をあげれば、睡眠の障害、食欲の異常、通常ではみられない奇異な行為、感情が鈍くなることや不適切な感じ方、継続困難な会話、通常ではない考えごとへの没入、やたらに確認したくなる考え、物事への特別な意味づけ、持続する非現実感、音やにおいの感じ方の変化などが見られることがあります。またその症状は、他の疾患と見分けることが難しく、専門家に相談することが推奨されます。 2021.05.14 統合失調症の妄想とは?内容や対応方法も説明こんにちは!!大阪市城東区鴫野駅から1分「けいクリニック」院長、精神科専門医の山下圭一です。 まず結論からいうと では上記に関しさらに詳しく説明していきますのでよろしくお願いします。 目次
1.統合失調症ってどんな病気?統合失調症とはうつ病や双極性障害、不安障害と同様に精神疾患の一つです。 2.統合失調症の妄想ってどんな妄想があるの?そもそも妄想とは… 妄想とは非現実的なことや、現実にはありないことを信じ込んでしまうことです。それに対して明らかな反論があってもその考えを訂正することが困難で、妄想を持つ本人はその考えが妄想であると認識できないことが多いです。妄想が出現する病気として統合失調症をはじめ、躁うつ病や、うつ病などの気分障害や、認知症などが挙げられます。しかしながら一概に妄想といっても病気によって出現の仕方や内容が異なるので、その点には注意することが重要になってきます。 統合失調症の妄想 統合失調症で出現しやすい妄想として以下のようなものが挙げられます。具体例と共に見ていきましょう。 ①被害妄想 自分が誰かに攻撃されたり、嫌がらせを受けているというような妄想です。統合失調症で最もよく見られる妄想です。 ②関係妄想 具体例> ③誇大妄想 自分の能力や価値を実際以上に高く感じ過大評価を抱く妄想です。現実よりもはるかに偉大である、裕福であるなどと考えてしまいます。
以上具体例と共に統合失調症で表れる色々な妄想に関して見ていきました。 3.妄想に対する正しい対応方法とは?ここでは統合失調症の妄想に対する正しい対応方法と、治療へのつなげる方法に関して説明していきます。
妄想に対する正しい対応 統合失調症の症状が悪化した時には幻覚や妄想など色々な症状が出現します。 妄想が出現している時、患者さんはその妄想によって悩まされています。「組織に追われている」「自分の行動が監視カメラで監視されている」などありえない内容ばかりですが、上記でも説明したように本人はそれが妄想だとは分からず「真実である」と思い込んでいます。 ではどういった対応が望ましいかを説明してきます。 妄想が出現している時患者さんはその妄想によって追い詰められ、強い不安を感じているので、周囲の人はまずその患者さんの気持ちを理解し寄り添うように心がけましょう。妄想の内容に対しては否定も肯定もせず、不安な気持ちに共感を示し安心感を与えて上げることが大切です。 以上が妄想への対応となります。 治療へのつなげ方 では次に治療につなげる方法に関しても説明していきます。 ⅰ)妄想が出現し患者さん本人が「調子が悪い」と自覚している場合 ⅱ)妄想が出現しているが特にそれに対しては困っていない場合 ⅲ)本人は特に不調を感じていない場合 また保健所などの精神相談に家族さんが相談に行かれるのも良いかと思います。 ここでは妄想に対する対応と、受診へのつなげ方に関して説明していきました。 4.統合失調症の治療に関して 統合失調症の治療に関しては薬物療法と心理社会的療法の2本柱になってきます。 ①薬物療法 統合失調症の薬物療法は抗精神病薬と呼ばれるドーパミンと呼ばれる神経伝達物質に対して作用する薬が使われます。統合失調症では脳内のドーパミンが過剰に分泌されていると考えられているので、薬物療法を行うことでドーパミンを調整することで幻覚や妄想などの陽性症状の改善が期待できます。 ②心理社会的療法 ここでは薬物療法、心理社会的療法に関して見ていきました。 まとめ この記事では統合失調症の妄想に関して、病気の説明から妄想内容や対応方法、治療などに関して説明していきました。 参考文献 統合失調症の本当の原因は?発症の原因は今のところ分かっていません
発症の原因は正確にはよくわかっていませんが、統合失調症になりやすい要因をいくつかもっている人が、仕事や人間関係のストレス、就職や結婚など人生の転機で感じる緊張などがきっかけとなり、発症するのではないかと考えられています。
統合失調症の注意サインは?統合失調症をもつ人は体調悪化の前にその人特有の「注意サイン」(再発の初期兆候)を持っているということが知られています。 不眠が数日から数週間続くなかで、イライラ感が募ったり、周囲の人を疑う気持ちが高まったりし、こうした感情や思考が行動に現れるようになって、緊急に医療機関を受診する、また入院に至ることがあります。
統合失調症の悪化要因は?統合失調症は病気の経過により、前兆期・急性期・消耗期(休息期)・回復期に分けられます。 それぞれの病期で特徴的な症状が認められます。 不安・孤立・過労・不眠などによるストレスの蓄積は、症状の悪化や再発につながる恐れがあるので注意しましょう。
統合失調症 何が辛い?上位3つをみてみると、1位「不安や孤独を感じる」(169人)、2位「薬に関する問題(多剤投与/副作用など)」(136人)、3位「身体的な症状(だるい、眠い、気力が続かないなど)」(109人)となっています。 また、「自分がだめな人間だと思ってしまう」と回答した方も99人と、上位3件についで多い結果となりました。
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